2025

リープ - lapistolary

本作品は、音楽と視覚情報の同期を意識したVJ的演出を、ミュージックビデオに落とし込むことをテーマに制作した。
本楽曲を手がけた5人のうち3人がサウンドデザインを主な活動としているため音の情報量が多く、botanicaらしさの強い楽曲となっている。そこで、その情報量を視覚的に表すために、サウンドと同期したモーション、テキストをオブジェクトとして扱う表現、短いカットの連続など、VJ的表現を積極的に取り入れた。
また、機械的なサウンドと温かみのあるピアノやストリングスが共存していることを示すため、装飾の少ないフォントやグリッチエフェクトを多用した。一方で、ノスタルジーを感じさせるゼロ年代のアニメやノベルゲームのグラフィックを取り入れたり、やわらかい印象をもたせるためライトリークや外側へのブラーを加える工夫も行った。
使用したグリッチエフェクトはチープさを感じさせないため、実際にテープに焼き込み破損させたうえでビデオデッキで再生する工程を踏んでいる。
全体を通してカット数が極端に多い箇所と少ない箇所の対比、無機質なグラフィックとノスタルジックな表現の対比、さらにサウンドと視覚の同期を目的としたVJ的表現とMVの構成を組み合わせることで、違和感を孕んだ対比構造を用いながら、本楽曲の世界観を表現した。

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